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静かな放課後(1)

 投稿者:管理人  投稿日:2007年 5月18日(金)23時21分9秒
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  (01)準備

「なぁ、ほんとにかかってんのかよ?」
 クラスメイトが訝しげに訊いてきた。目の前にクラスメイトが集まってきていて、敏之はわけのわからない顔をしている。
「まぁ、見てろって」
 俺は敏之の前に手を差し出す。敏之はじっとそれを見つめていた。
 そして俺は指を鳴らす。
 その瞬間、敏之の目がうつろになり、首ががくんと下がった。歓声が上がる。
 俺は敏之の頭を両手で握り、ゆっくりゆっくりと回した。敏之は目を閉じて、だらしなく口を開いている。
「敏之、聞こえるか?」
「……うん」敏之は寝言みたいなぼんやりした声を出した。
 催眠術の異様な雰囲気に、クラスメイトたちは黙ってじっと見入っている。
「こうやって頭を回していると、どんどんと頭の中が気持ちよくなっていって、俺の声以外聞こえなくなる」
 敏之はなされるがまま、ぐるぐる頭を回されている。
「そしてー、だんだん、声に従いたくなってくる、声が正しく思えてくる」
「こえ……ただしい……したがう……」
「そう、声に逆らうことが思いつかない、声の言うとおりにしたくなる」
「いうとおり……したい……」
 俺は頭を回すのをやめ、クラスメイトのほうに向き直った。
「さ、何して欲しい? まだそんなに深くかかってないだろうから、そんなに無理はさせられないけど……」
 クラスメイトは疑わしげに敏之を見つめている。敏之は、目を瞑り体を弛緩させ、椅子にもたれかかっていた。
まだこれでは、本当にかかっているか疑うのも無理ないだろう。
「服脱がすとか」
 誰かが冗談交じりに言う。げらげらと笑い声が上がった。
「分かった、良いよ」何気無い風を装いながらも、俺は心の中でガッツポーズをしていた。
 俺はまた敏之のほうへと向き直る。ざわざわと後ろでクラスメイトが騒いでいる。
マジでかかってんのかな、という声が聞こえた。
 俺はまた敏之の頭を回しながら、ゆっくりと語りかけた。
「俺がこうやって頭を回していると、どんどん体が熱くなっていく、どんどんどんどん蒸し暑くなっていく。
服を脱がすには居られない。服を脱いでしまいたい」
 そういいながら頭を回し続ける。やがて、敏之に変化が現れた。息が荒くなっている。
「あ……はぁっ……あっ……あ、あつ、い……」
「そう、どんどん、どんどん体が火照っていく、内側から熱くなっていく、
耐えられない、耐えられない、服を脱ぎたくてたまらなくなっていく」
 俺に頭を抱えられたまま、敏之は口で苦しそうに息をしている。
「……あっ、あ……はぁ……あつ、い……服……脱ぎた、い……」
 もう十分だ。そう判断した俺は更なる暗示を与える。
「俺が頭を離しても、体が熱いのは収まらない、でも、敏之は自由に立ち上がって、服を脱ぐことが出来る」
 敏之の顔は赤くなっていた。服を脱ぐことが出来る、と言うと、うつろな表情に嬉しそうな笑みが浮かぶ。
「さぁ、頭を離すよ、はいっ」
 俺は頭を離した。敏之はゆっくりと目を開ける。でもまだうつろな目のままだ。
敏之は荒い息のまま、自分のワイシャツのボタンに手をかけた。一つ一つ、ゆっくりと外していく。
そして完全にシャツを脱いだ。敏之の腹筋は鍛えられて割れており、胸板はがっしりと筋肉がついていた。
肌は浅黒く、そしてなぜか乳首が勃っていた。敏之はうつろな目のまま、今度はズボンのベルトに手をかけた。
かちゃかちゃとベルトを外す。ズボンが落ち、ボクサーパンツが露になった。
敏之のペニスはかなり大きいのか、紺色のパンツの中で、もっこりと存在を主張している。
「すげぇ、マジでかかってるよ」
 クラスメイトの一人が、驚いて声を上げる。それにつられるように、少しうるさくなりだした。
「どこまで脱ぐんだろ」「折角だから最後まで脱いだら面白くねぇ?」
「はぁ……はぁ……」
 クラスメイトの喧騒などを全く気にせず、敏之はまだ荒い息をしている。
 そしてそのまま、ゆっくりとパンツに手をかけた。うわ、と声が上がる。
 ――今はとりあえずここまでだ。
 俺はさっと敏之の前に手を出し、再び指を鳴らす。
 敏之のパンツにかかっていた手がだらりと垂れ、うつろだった目は更にぼんやりと濁った。俺はそんな敏之に語りかけた。
「さぁ、急に熱いのは収まっていくよ、すぅっと涼しくなっていく。
そして、今度は服を脱いでいる自分が恥ずかしくなってくる、さあ、服を着てしまおう」
 敏之はうつろな目であたりを見回すと、今度は恥ずかしさで顔を真っ赤にして、散らばった服を拾い、のそのそと着だした。
 俺はその間敏之をじっと見つめ、その鍛えられた体を脳に焼き付けていた。これが俺のものになる。
 服を着終わった敏之を席に座らせると、俺はゆっくり語りかけた。
「さぁ、俺が手を叩くと目が覚めるよ。とても頭がすっきりする。疲れも取れる。
そして、今起きていたこと全てを忘れてしまう」
 そういってうつろな目の敏之の前に両手を差し出し、叩いた。
 敏之はハッとした表情になり、きょろきょろ辺りを見回した。
「どう?」俺が聞くと、
「俺、かかってたのか? 全然覚えてない」
「何かスッキリしたんじゃない?」
「え、ああ、うん…」
 服を脱いでスッキリしたという敏之を、みんなが笑いを堪えて見つめていた。
 チャイムが鳴った。
 クラスメイトたちは、慌しく、自分の席に戻っていく。
 何人か、興味津々といった感じで俺に話しかけてくる。俺は適当にそれをあしらい、自分の席に戻った。

 俺はずっと催眠術に興味があった。うつろな目、ぼんやりとした返事、そして他人を思い通りに操るということ。
性の目覚めとほぼ同時に、自分がそういうシチュエーションに興奮するのだと気づいた。
そしてそういった画像や動画、漫画、小説を集めるうちに、俺は自分が男に興奮するのだとも気づいた。
きりっとしていた表情が、ぼんやりとしたものに変わる。意識を書き換えて、普段絶対にしないような行動をさせる。
逞しい筋肉を蓄えた男が、自ら尻を振り精液を求める。どんな命令にも忠実に従う奴隷になる。
 そして男子校に進学した俺は、同じクラスの西沢敏之のことが好きになった。
敏之は子供の頃から野球を続けていて、筋肉がついており、とても逞しかった。
性格は穏やかで優しく、いつもにこにこと笑っている。加えて努力家で、部活だけでなく勉強も良くできた。
野球部は部活で忙しく勉強する時間が少ないのにも関わらず、敏之のテストはほとんどが平均を大きく上回っていた。
俺はそんな敏之を素敵だと思っていた。だけれどもこの感情は、俺の中で性欲と結びつくことは無かったし、
どちらかというと憧れの気持ちのほうが強かった。
 だけど、授業でビデオを見ているとき、よほど疲れているのだろう、うとうととモニターを見つめる敏之を見たとき、
俺の中で何かがはじけた。まじめな性格の敏之は、眠ってはいけないと思っているのか、頑張ってモニターを見ようとしている。
うつろな目で、口を半開きにして、まるで催眠術にかかったみたいに、モニターを見つめ続けていた。
そんな敏之の表情を見て、催眠術をかけてみたいと、俺は心から思った。
 俺は催眠術に関する本を読み漁り、ビデオを通信販売で買い、一生懸命に勉強した。
俺は部活には入っていなかったので、練習する時間はたくさんあった。
家族や中学校の友達を被験者に練習し、手順を覚えた。俺は異常なまでに催眠術にのめり込んでいた。
敏之を思い通りに操りたいがためだった。
 そして俺は催眠術を会得した。中学校時代の友達を操り、男同士で絡ませることにも成功した。
どうやら俺は、催眠術の才能があったらしい。目の前でイヤらしい声を上げながら絡み合う同級生を見ながら、
俺はどうやって敏之を落としてやるか考えていた。
 そして俺は、偶然にも堂々と敏之に催眠術をかけるチャンスを手に入れたのだ。
テレビで催眠術の番組をやっていた翌日、あれが本当かと皆で話していた。
やらせだ、というヤツがほとんどで、何となく腹が立った俺は、
思わず自分が催眠術をかけることができると宣言してしまったのだ。
やってみろよ、という流れになり、俺は皆の話を後ろから聞いていた敏之を指名した。
そして俺は、皆の前でストリップショーをやらせてみせたのだ。

 敏之を脱がせたその日の放課後。俺は図書館で30分ほど時間を潰し、そして教室へと向かった。
外からはサッカー部の練習する声が聞こえる。ボールを蹴る音も。俺の心臓はばくばくと音を立てていた。
いよいよだ。いよいよ敏之を操れる。
 俺は教室のドアを開けた。日が傾いてオレンジ色に染まった教室の、窓際の席に敏之は座っていた。
ぼんやりと窓の外を見つめている。俺に気づいて、振り返った。
「どうしたの? こんな時間まで」俺は何気ない風を装って尋ねる。
「ああ……どうしてだろ、何となく……残りたくて」
 ――俺は敏之を教室で脱がせる前に、トイレで催眠術をかけていた。
催眠術をかけるとき、回りに人が居ると集中できない、そう言い訳して二人きりになったのだ。
狭い個室の中でうつろな表情の敏之と向かいあった俺は、今すぐに襲い掛かりたい衝動に駆られたけれど、我慢した。
そして、敏之にいくつかの暗示を与えた。催眠術にかけられたことはすっかり忘れてしまうこと、
俺が目の前で指を鳴らすとすぐに催眠状態に堕ちること、
そして今日の放課後、教室で俺が来るのを無意識に待っていること――。
後催眠は完璧だった。敏之は完全に俺の手の中にある。
それでなくてもパンツまで脱ごうとしたのだから、相当催眠の深度は深くなっているんだろう。
 俺はゆっくりと敏之のもとへ歩み寄ると、目の前に右手をかざした。不思議そうに俺の手を敏之が見つめる。
 指を鳴らす。
 瞬間、敏之の表情が弛緩した。
 
 
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