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取り急ぎ紹介したい鉄道本

 投稿者:作家モト  投稿日:2009年 7月11日(土)09時05分11秒
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  「製造現場ってのは、いろんなことがあるところでね〜」とS谷さん。
「ある時、工場の変電設備に落雷があって、工場内の電気が止まっちゃったのよ。化学
反応釜の冷却ができなくなって、爆発寸前と言う事態。必死のバケツリレーで、釜を冷
やして、なんとか事なきを得たんだけどね。後始末も含めて、大変だったよ。」
「事故なんてないに越したことはないですけど、それを乗り切ることで、一体感が生まれ
るってこともありますよね」「確かに!」
以上、今週もグレローニュースは、USO800Khzでお送りしました。
                  
取り急ぎ紹介しなければならない本が出ました。
NHK教育テレビのテキストで、7月で放送が終わる、という事情からです。
そのテキストは、「知る楽(しるらく)」シリーズの「鉄道から見える日本」(原 武史)。

原の意図は、鉄道を通して、日本の文学、社会、文化などのありようを探っていこうとい
うもの。細部にこだわり、仲間内だけで通じる専門語を使うことを楽しむ排他的、オタク
的鉄道マニアの世界とは、全く違う興味深い世界を見せてくれます。

鉄道紀行文学の3巨人として、原があげるのが、内田百けん、阿川弘之、宮脇俊三。
「三人に共通するのは、「鉄道好き」を自認していたことである。しかし、彼らには、そん
な趣味に入れこむ自分を「あほらしい」と相対化する眼、あるいは諧謔する精神があっ
た。、、、」(同書から)
私自身、阿川、宮脇の鉄道エッセイに数多く接してきただけに、全く、同感で、腑に落ち
る。

阿川の「南蛮阿呆列車」(以前に紹介したことがあります)における阿川と北杜夫の会
話が紹介されている。
「・・・・・そろそろ83列車がすれちがうころだと思うんですがね」
「ああそうですか」
「しゃべっている間にすれちがってしまったかな」
「失礼ですが」とまんぼうが言った。「僕は汽車がすれちがってもすれちがわなくても、大
したことは無いような気がするですがなあ」

「西の阪急、東の東急」、「私鉄沿線に現れた住宅」では、東西私鉄の経営風土、経営
戦略の違いや鉄道が単なる輸送機関を超えて、沿線の文化、社会に与えた影響等
が、実証的、具体的に語られる。
関西出身の私にとっては、とりわけ興味を大いにそそられる内容となっています。

そして、なんといってもユニークなのは、1968年の「新宿騒乱事件」を取り上げている
こと。鉄道に「事故」はつきもの(もちろん、あっては困りますが)だが、駅そのものが「事
件」に巻き込まれ、舞台となったのは珍しい。
団塊世代のオジさんにとっては、懐かしく、ほろ苦く、ちょっと血が騒ぐ思い出かも知れ
ません。

「鉄道ひとつばなし」、「鉄道ひとつばなし2」(ともに原武史著 講談社現代新書)も名
著。より深く「学習」を進めたい方は是非。

<ミニコーナー>
「奇想の王国  だまし絵展」(Bunkamura ザ・ミュージアム 8月16日(日)まで
http://www.bunkamura.co.jp/museum/ )が開催中です。
本物と見まごうばかりの超細密画、エッシャー、マグリットなどの不思議でシュールな世
界に浸れます。図は、コルネリス・ヘイスプレヒツの「食器棚」(同HPから)
 
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