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最後のちょっといい話 Part5

 投稿者:作家モト  投稿日:2009年 5月16日(土)09時13分17秒
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  「ちょっとここでスキップしてみてください」某氏から突然いわれた。
それらしきことを、モタモタとやってみると、「ヒトはスキップするとき、幸せな顔に
なるんですよ。だから気分が落ち込んだ時など、スキップという行動から入ることで、
気持ちを切り替える効果があるみたいですよ」
某氏が毎日スキップをしているかどうかは、訊き忘れた。
以上、今週もグレローニュースは、USO800Khzでお送りしました。
                  
硬い話題が続いたようですので、久しぶりに「最後のちょっといい話」(戸板康二 文
春文庫 1994年)の第5弾で肩のコリをほぐしてもらおうと思います。どうぞお
楽しみ下さい。

渡辺美佐子は仲間から、ミチャコと呼ばれて来た。時には、メチャコだの、ムチャコ
といわれたりもした。その美佐子が俳優座の養成所にいて、芝居をすることになった
が、舞台稽古の時、客席で見ている千田是也が、大声で叫んだ。「アチャコ!」

中村伸郎はガンではないかと疑って癌研に入院した。その時、もうだめだと思ったの
で遺言を書いておいたが、幸い無事退院したあと、それを読み返したら、じつにくだ
らないことが書いてあった。「ピアノの上の九谷の壺は高価なものだから、人にはやら
ずに、売ったほうがよろしい」

浅香光代が去年の秋大阪で西城秀樹と共演、同じホテルに泊まっていた。エレベータ
ーで上がって先に降りる時、西城から「一人で寝られますか」と突然いわれた。夢見
心地で部屋に帰ったが翌日そわそわしながら、「きのうあんなこといったけど、寝られ
ないといったら、どうするつもりだったの」といったら、西城がニッコリ笑って、「睡
眠薬をあげようと思ったんです」

初場所で19歳の貴花田が優勝した。厚生省から相撲協会に電話がはいって、「祝杯は
お酒でなく」といって来たそうだ。ご親切な話である。

古今亭志ん生が大昔、いわゆる「なめくじ長屋」にいたころ、本麻の蚊帳というのを
「三十円の品物ですが即金なら十円に致します」という口上で売りに来た。キチンと
畳んであるのをつい確かめもせず、長火鉢の引き出しから紙幣を渡してしまった。さ
て開いたら、蚊帳の切れっぱしを畳み、赤い縁と環をつけて、見せかけだけのイカサ
マ。しまったと口惜しがったが、ふと気がついた。「うちに十円札があるはずはないん
だ。あれは一枚五厘で売っていたおもちゃの紙幣だった」

三木のり平はセリフをおぼえるのがへたでいろいろ苦心した。ある時、茶碗の内側に
セリフを書いておいたら、いたずら好きな共演者が、ほんとうに飯をよそってしまっ
たので、急いでそれをかっこんで、セリフを辛うじて読んだという話もあるが、なん
ともおかしいのは、幽霊のセリフを手の平に書きとめていた時の話。舞台で「うらめ
しや」と両手を垂れたので、何も読めなかったという。
<ミニコーナー>
最近は、女性の鉄道ファン(鉄ちゃん、鉄子)が増えているらしい。酒井順子さんも
「女子と鉄道」(光文社)で、そのことをカミングアウトしています。写真は、その表
紙絵。黄昏時の淡い色調と座席にちょこんと座っているウサギがかわいい。デザイン
は、有名な佐藤可士和、さすがです。
 
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